会社員が大企業でイノベーションを生み出すために

発明前進

大企業は技術力や資本などベンチャー企業などに対して優位性を持つ一方で、会社がつぶれない安心感からイノベーションが生まれづらいという場合もあるでしょう。今回は三井不動産が新たなイノベーションを生み出すための取り組みについて紹介します。

本記事は、2021年4月5日の日経ビジネス(No.2085)で紹介されていた内容を参考にしています。

日経ビジネス(2021年4月5日)

三井不動産株式会社

日本三大財閥の一つである三井財閥に起源をもち、現在では売上高が不動産業界最大手となっているのが三井不動産株式会社です。「賃貸」「分譲」「マネジメント」「その他」の4つに事業が分類され、幅広く不動産開発を行っています。私でもよく知っているものとしては商業施設の「三井アウトレットパーク」や「ららぽーと」、東京ディズニーリゾートを手掛けるオリエンタルランドの大株主でもあります。

三井不動産から生まれたぶどう生産のベンチャー企業

マスカット

「三井不動産とぶどう?」
イノベーションが生まれるのはその会社のやっている事業内容と関連が深いものほど、自社の技術をそのまま生かせるメリットがあると思います。それにも関わらず、三井不動産から派生して生まれた株式会社GREEN COLLARが行うのは「ぶどうの生産」です。2020年3月のプレスリリースによると、名前の由来はホワイトカラーでもブルーカラーでもない「より人間らしく、自然と生きる=“グリーンカラー”」だそうです。ニュージーランドと日本の2拠点で日本品種のぶどうを生産することで、2回の旬が生まれ、1年中生食用のぶどうを出荷できるそうです。この事業を行うことで、

  • これまで日本で主に消費されていた日本ぶどうを世界に発信
  • 農業の後継者不足などといったSDGsに向けた社会課題の解決に貢献
  • ぶどうの品質管理などを通じたICTの活用

へとつながります。

イノベーションを生み出す仕組み

一見オフィス事業とぶどう生産の間に関連は無いようにも思えますが、どのような経緯でぶどう生産の社内ベンチャーが発足したのでしょうか?GREENCOLLARは三井不動産初の社内ベンチャー企業です。一つ一つのプロジェクトが大きくなると現場社員からアイデアが生まれにくくなる「大企業病」を打開するために2018年に事業提案制度が「MAG!C(マジック)」が社内で公表されました。
最大の特徴は、発案者自身が事業化まで行う仕組みにして発案者の熱意を事業化に生かす点です。発案者と異なる、アイデアの分野に近い人が担当者となると熱意の低さゆえにこれまで事業化に結び付いてこなかったそうです。さらに、上記制度への応募者には

  • 調査費支給
  • 業務時間の15%を新規事業調査に使える
  • 個別メンタリング

などのサポートも充実しているそうです。たくさんのアイデアがあっても成功するかどうかは分かりませんが、まずはどんどんアイデアを社員が出すことができる環境づくりが大切です。

イノベーションを生み出すために必要なこと

閃き、行動に移すこと

個人としてはやはりこれらが発明には求められます。閃くためには日々の情報収集と、その情報からのアイデアだしが欠かせません。三井不動産のイノベーションに関する記事では、イノベーションを生み出すうえでは「大企業での経験値」よりも「構想」が大事であるという図が描かれており、この点に一番衝撃を受けました。私は、大きなことを実現するには大企業のノウハウがあると有利だろうと思って会社を選びました。ただし、まずは自分自身が経験をつけてなおかつ自社技術や業界について知って初めてイノベーションに挑戦できる、と無意識のうちに思っていたような気がします。あっという間に携帯、スマートフォンが社会に広まったようにイノベーションの生まれる速度はインターネットの普及とともに加速してきているのでしょう。

コラボレーション

私自身研究を何年かやってきて思うのは、コラボレーションの大切さです。これは、人という意味でも技術という意味でも同様です。高度経済成長期などは技術があれば売れる時代でしたが、現在では性能だけで他社と差別化を図っていくのは容易ではありません。一個の技術だけでは一番になれなくても、複数の技術を組み合わせてこれまでにない優位性を生み出すというのが近年ますます重要になってきているように思います。たとえ大学で研究する身であろうと、様々な研究者と情報交換、共同研究をしていけるかが研究者としてやっていくためには重要だと思います。三井不動産とぶどうの例でも、三井不動産は農家の方とコラボすることで単なるICT技術に留まらない優位性を獲得できると思います。

終わりに

三井不動産という大企業でのイノベーションの実現には、大企業を脱するというアプローチが重要であると感じました。いつかではなく、今この瞬間からイノベーションを生み出す意識が大切だと思います。

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