日本の人口減少や地方の過疎化が進んでいる一方で、東京の人口は増加していると言われています。それによって東京の住宅価格は上がり、地方では下がる、といった二極化現象も生じています。
本記事の内容
- 地方の町では急速に人口減少が進むのに対し、2022年現在東京の人口は増加し続けている
- 東京も2025年をピークに人口減少すると予測されている
- 人口が大きく変わらなくとも不動産価格が上昇しているのは、核家族化による世帯数増加などが影響していると考えられる
- 都市部から離れると公共交通機関の本数も減る
- 東京の不動産価格もいずれは下落するが、2030年くらいまでは高い状態で維持しそう
人口推移
三ヶ日町は2005年に浜松市に合併された町です。以下に地方の町(三ヶ日町)、地方都市(浜松市)、東京、日本の総人口の推移グラフを示します(縦軸: 千人、横軸: 年)。
赤い点線で、人口のピーク時を示しています。浜松市と日本全体ではピークのタイミングが同じで、三ヶ日町ではそれよりも人口減少の開始が早く、逆に東京では2022年時点でも人口が過去最大です。
地方から都市への人口流出(社会増)と、出生率低下による人口減少(自然減)の影響が人口推移にも表れています。
東京の不動産価格は急激に上昇
全国的には人口が減少している一方で、東京の不動産価格は上昇し続けています。
東京の人口が増加すれば不動産価格が増加するのは当然だと思います。2010年を100とした東京都の不動産価格指数と総人口、世帯数の推移が以下になります。
2010年と比べて2022年時点で
- 東京の総人口は7%弱増加
- 東京の不動産価格指数は46%増加
- 東京の世帯数は15%増加
単純に人口だけで不動産価格の増加を説明することはできず、核家族化による世帯数増加など含めて考える必要があると思います。
ただし、それにしても2013年以降の東京の不動産価格の増加は著しいです。
東京や地方都市への人口流入が続く
利便性と不動産価格の兼ね合いによって、東京や地方都市から片道1時間くらいの範囲で住む方が多く、今後も増加を続けると思います。(ex. つくば市: 東洋経済の記事参照)。
都市部から離れるほど不動産価格も安くなるため、車を運転される方は都市部から1時間以上離れていても問題ない、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり都市部から離れすぎると生活しづらくなっていきます。
都市部から1時間半かかる三ヶ日町では以下のような変化がありました。
高校や小学校の廃校
2000年代時点では5つほどの小学校と、中学校高校が1つずつあった三ヶ日町ですが、すでに小学校1つと高校が廃校になっています。三ヶ日町から高校に通うためには、一番近い高校でも片道30分以上かかります。進学校に通う、となると、かつての私のように片道1時間半かけて通学しなければなりません。電車と違ってバスの中は暗いため、通学時間での勉強もしづらいです。子供の通学が大変になるでしょう。
バスの減便
人口が減少すれば公共交通機関の便数も減少していきます。都内だとバスでも10分に1本はある、ということも珍しくありません。
三ヶ日町ではかつて1時間に1本という頻度で、2022年時点ではさらに本数が減って2時間に1本に変わっていました。
車に乗れる大人は大丈夫かもしれませんが、子供は不便な生活を強いられてしまいます。
あるいは高齢になって車が運転できなくなると、田舎に住み続けることが難しくなると思います。
ちょっと買い物したり遊びに出かけたりするためにも片道30分以上かけなければならない生活は、東京の生活に慣れた方には厳しいのでは無いかと思います。
今後東京の人口も減少し始める
2060年までの東京の人口推計で興味深い予測がされています。以下内容抜粋。
- 東京の人口も2025年(団塊の世代が全て75歳以上になる年)をピークに減少
- 高齢化率の低い東京でも2030年以降に4人に1人が高齢者となる
- 一世帯当たりの平均世帯人員は 2015 年以降2人以下、単独世帯が増加していく
東京の人口が減少する原因としては、全国的な人口減少による社会増の縮小と、高齢者率増加による自然減の拡大があります。
東京の世帯数・人口が減少すれば不動産価格も減少すると思いますが、2030年くらいまでは不動産価格が高いまま維持されるのではないかと思います。
まとめ
都内では不動産価格が上昇し続け、地方では過疎化が進んでしまっています。私はこの現状をずっと見てきましたが、解決する手立てが見いだせておりません。ドラえもんのどこでもドアがあればな、などと考えているだけでは始まらないので現状をまとめてみました。
実家の相続や、東京近郊でのマイホームの購入など、今後向き合わなければならない問題が山積みです。
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