新建築「紀尾井清堂」を見学

建築家内藤廣さんが設計された用途未定の建築物「紀尾井清堂」を見学してきました。用途のない建築物での「奇跡の一本松の根」展開催です。

新建築「紀尾井清堂」の特徴

紀尾井清堂

ガラスで覆われている

紀尾井清堂を囲うガラス

コンクリートの建物全体がガラスで覆われています。ガラスの外壁を清掃するだけならコンクリートの外壁より手間がかからないのかな、と思わず管理方法を気にしてしまいます。

岩や木の質感

1階部分の外壁は平らではなく、岩のようにゴツゴツと突き出ている部分もありました。

紀尾井清堂の外壁

建物の2階以上では、木の落ち着いた感じがあります。コンクリートの柱にも木の文様が型取りされていました。

紀尾井清堂の廊下
紀尾井清堂の柱

開放的な空間

紀尾井清堂の天井

紀尾井清堂は、ガラスに覆われ、コンクリートに覆われ、外界と遮断された閉鎖空間と思っていました。

しかし実際に入ってみると、天井から多く光を取り込んだり建物内部全体を見渡せるようになっていたりと、開放的な空間が広がっていました。吹き抜けになっていて、部屋もありません。

倫理研究所が依頼、内藤廣さんが設計

紀尾井清堂は一般社団法人 倫理研究所が建築家の内藤廣さんに「用途未定」の建物の設計を依頼して生まれました(日経クロステック記事参照)。倫理研究所では健全な家庭環境・労働環境・地球環境を目指すなど、その活動は幅広いです。

内藤廣さんは「海の博物館」や「とらや」を設計されてきた建築家で、現在東京大学の名誉教授です。

「用途未定」の建築物で「奇跡の一本松の根」展が開催

「奇跡の一本松の根」展パンフレット

東日本大震災からの復興を目指した、復興デザイン研究体顧問である内藤廣さん設計の紀尾井清堂で「奇跡の一本松の根」展が開催されています。

紀尾井清堂の見学会は人気で予約が埋まっておりましたが、今回「奇跡の一本松の根」展と合わせて見学することができました。

東日本大震災の津波で残った奇跡の一本松の根が展示されています。部屋を埋め尽くすほどの大きさでした。これだけ立派な根が張っていたから津波にも耐えられたのだと思います。

奇跡の一本松の根

幹から上の部分は、中をくり抜いて芯を入れて防腐処理などを行って現在は高田松原津波復興祈念公園内にあるそうです。修復作業の映像が公開されていました↓

修復の際の映像が展示会場でも流されていて、30分以上の動画に聴き入ってしまいます(上映中の光景を上から撮影↓)

奇跡の一本松修復作業の上映

奇跡の一本松の復元事業の費用は全て世界中からの募金に寄って賄われました。募金を復興に使うか、一本松の保存に使うか、という点も議論されました。当初は復興に使うべき、と考えていた方も次第に復興のシンボルが必要だと感じるようになったといいます。

最後に

以下は、奇跡の一本松の写真がイサム・ノグチさんのAKARIで温かく照らされている写真です。多くの職人さんや支援者の支えによって現在も復興のシンボルとして残されています。

私は実家(静岡県浜松市)にいた頃に地震の揺れを経験しました。東北地域からは500km以上離れていますが、船に乗っているかのようなゆっくりとした横揺れがとても怖かったです。

また、静岡県において東海地震、東京都だと首都直下型地震が示唆されているように、次は私自身が当事者になる可能性があると心に留めておきたいと思います。

イサム・ノグチのAKARIで照らされた奇跡の一本松

コメント

タイトルとURLをコピーしました