東京から離れた田舎の過疎化を食い止める方法を考察

今後東京などの都市部に人が集まり続け、田舎は人口減少が進んでいくと考えられます。私の故郷である三ヶ日町という田舎町を例に挙げ、田舎が生き残っていく方法を模索します。

三ヶ日町ってどこ?

三ヶ日(みっかび)町は静岡県浜松市北区に属しており、2022年現在人口が約14000人の小さな町です(浜松市全体で約80万人)。浜松駅に対して浜名湖の反対側にあります。山も湖も近く、「水と緑と太陽の町、三ヶ日」というキャッチコピーを小学生の頃に何度も聞いた気がします。

三ヶ日町の特色

特産のみかん

実家から送ってくれた三ヶ日みかん
選果手伝い
実家に帰省したときには、傷ついたみかんを取り除いてサイズごとに分ける選果作業を手伝います。

大学進学を機に東京に来てから早10年、出身を聞かれるたびに三ヶ日町の特産である「三ヶ日みかん」を宣伝してきました。実は静岡県は令和2年のみかん生産量が和歌山に次ぐ2位(参考: 農林水産省)だったくらいみかんの生産が盛んです(昔からずっと3位くらいです)。みかん、と聞くと皆さん愛媛県、和歌山県は出てくるのですが静岡県がなかなか出てこないですね。三ヶ日町だけで県内生産量の3分の1を占めています。

素晴らしい景色

猪鼻湖

三ヶ日町は山と湖に囲まれており、帰省した際には遠くの景色を眺めてくつろぐのが好きです。湖の近くには多くの別荘が建てられています。

高速道路とのアクセスが良い

浜名湖SAからの眺め

三ヶ日には東名高速道路の三ヶ日インターチェンジや、新東名高速道路の三ヶ日ジャンクションがあり、高速道路とのアクセスが良いです。浜名湖サービスエリア(SA)では三ヶ日みかんが箱売りされており、私がいた30分くらいの間だけでも車にみかんを積み込む家族連れを3組くらい見かけました。

女子国際テニス大会が開催される

三ヶ日町では、国内で開催される女子国際テニス大会の1つ、浜松ウィメンズオープンが開催される場所でもあり、海外の選手も訪れます。テニスが好きな方にとっては魅力だと思います。ちなみに三ヶ日町はアメリカ合衆国カリフォルニア州のポータービル市と姉妹都市です(浜松市ウェブサイト)。

三ヶ日町の今

三ヶ日みかん選果場
閉校した三ヶ日高校の跡地にできた三ヶ日みかんの選果場

上記のように特色はいくつかあるものの、三ヶ日町では人口減少が進んでいます。2005年には人口が16000人だったので現在は2000人ほど減っています。

もともと小学校が5つ、中学校・高校がそれぞれ1つずつあったのですが、子供の数の減少などが理由で2012年に大崎小学校、2015年に三ヶ日高校が閉校してしまいました。私の祖母は三ヶ日高校に通っていたので特に悲しんでいました。

三ヶ日町で人口が減少する理由の1つとしては新幹線が止まる浜松駅から遠いことが挙げられると思います。三ヶ日町には天竜浜名湖鉄道(通称天浜線)という電車が走っていますが、これは浜松駅まで行きません。三ヶ日駅~新所原~浜松駅、と天浜線と東海道本線を乗り継ぐルートもありますが、片道1000円以上かかります。

私は学生の頃、バスで通学していました。三ヶ日町から浜松駅まではバスで1時間以上かかります。バスは座席間隔が狭くて片道1時間以上毎日乗るのは大変で、電車と違って時間どおりに着くことも少ないです。1日の本数限定で東名高速道路を通るバスができて通学はいくらか楽になりましたが、浜松駅までの距離は大きいままです。

三ヶ日町から浜松駅までバスに乗ったときの経路と時間(Strava)。渋滞は頻繁に起きるので1時間半くらいはかかると思ったほうが良いです。

三ヶ日町に人を呼び込むには

自分の考えとしては三ヶ日町全体の観光地としての魅力を増やすのが大切だと考えます。観光業が栄えて雇用が生まれれば人は呼び込めるのかな、と思います。

三ヶ日町観光協会のサイトで、みかん狩りやパラグライダーといった「体験」や、三ヶ日みかんソフトなどの「食べ歩き」がおすすめされていますが、観光地としてのアピールには改善の余地があるのではないかと思います。

例えば東京に住んでいる方がみかん狩りやパラグライダーをしたい 場合、きっと「みかん狩り 関東近郊」などと検索するため三ヶ日町にわざわざ来る方は少ないと思います。

三ヶ日町に人を呼び込むには「三ヶ日町でしかできない体験」を作る必要があると考えます。湖や山に囲まれている、という点だけでは東京に近い山中湖に軍配が上がると思います。

例えば以下の3つの観点から三ヶ日町の特色を生み出していけないかと考えます。

湖を泳げるくらいきれいにする

猪鼻湖の眺め
猪鼻湖の眺め

例えば沖縄の海のように猪鼻湖・浜名湖(猪鼻湖は浜名湖につながっていて、三ヶ日町に面する湖です)の水がきれいだったら観光地としては大きな強みだと思いますが、猪鼻湖・浜名湖は決してきれいとは言えません。浜名湖と海との接続部が狭く、汚れがたまりやすいという傾向があります(ふじのくに静岡県公式ホームページ)。

それでも、かつてのようなきれいな湖を取り戻す努力は続けられています。三ヶ日町が面している猪鼻湖では炭素繊維(髪の毛のような見た目です)による水質浄化が何十年も研究されています(Eジャーナルしずおか)。

簡単ではありませんが、もし水質浄化に成功したら観光地として成功できるのではないかと考えます。

芸術家・建築家やアニメとのコラボ

有名な建築家が設計した、アニメでその場所が出てきた(聖地)、といった場合に一定数の観光客は見込めると思います。「ゆるキャン△」というアニメの聖地巡礼で三ヶ日を訪れた、という方もいらっしゃるそうです。ただし、狙ってコラボするには依頼料がかかりすぎて採算が取れないかもしれません。

みかん作りの雇用

都市部では非正規雇用の方、職を失った方が多くいらっしゃいます。そういった方たちがみかん農家として働き始めやすい環境を整えれば移住される方も増えるのではないかと思います。

ちなみにみかん農家の平均年収は332万円だそうです(平均年収.jp)。

ただし田舎だと人付き合いが都市部と違って大変、という点は良くも悪くもあると思います。私の住んでいた地域でも昔と比べれば行事が減っていますが、公民館の掃除や数ヶ月に1回の地域での飲み会はあったので、ある程度は地域の方と上手くやっていく必要があります。

都市部から3組ずつくらいの単位で移住してもらって、移住者どうしでコミュニケーションをとれるようにサポートがあると移住者が孤立する心配を減らせると思います。

三ヶ日町をまず知ってもらう

そもそも東京の方の多くは「三ヶ日町」という存在を知りません。都市部の駅における物産展には積極的に参加していく必要があると思います。ただし認知されたからと言って三ヶ日町に訪れる人がすぐに増えるわけではありません。効果が出づらいとは思いますが知ってもらわなければ訪れる方は増えないと思いますので、長期的視点での投資をしていく必要があると思います

なお、浜松駅までのアクセスを良くする、なども考えましたがそれは三ヶ日町が観光地としてまず成功しないとバスの増便や新規路線開拓は採算が合わないので除外しました。

まとめ

本記事では三ヶ日町という田舎町を訪れてもらうには「三ヶ日町でしかできない体験」などを生み出すことが大切だと述べました。今回は三ヶ日町に着目していますが、三ヶ日町に限らず多くの田舎町における地域復興には大事な考え方だと思います。より良いアイデアなどございましたらコメントいただけると嬉しいです。

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