【合格体験記】簿記3級合格に向けた勉強法紹介

日商簿記は経理などの仕事につく上ではもちろん、社会のお金の流れを知るためにも理解しておいた方がよいです。私が簿記を学ぼうと思った理由と勉強2021年から試験の形式が変わった第158回日商簿記3級合格までの経緯をご紹介します。

簿記を学ぶ意味

家計簿

簿記を学ぶことでお金の知識がつきます。経済など専攻していた方は例外として、多くの方は学校でお金・経済の授業を受けてこなかったのではないでしょうか。社会人としてお金の勉強をしようとしている方は是非一度勉強することをお薦めします。
簿記を学ぶことで、各企業が公開している財務諸表などに関する理解を深めることができます。例えば私の場合、手形や小切手などの名前は聞いたことがありましたがその内容はよく知りませんでした。知っているか知らないかで経済の見方が大きく変わると思います。
私は株や投資信託を始めようと思っていたこともあり、幅広い経済の知識をつけるために簿記3級の勉強を始めました。

簿記3級

簿記3級は簿記の入口に当たります。税金の仕組みなど経済のことが全て分かるようになるわけではありませんが、最初に簿記の概念を理解することが意外と難しいので軽視できないと思います。私自身も最初は簿記の形式が直感的に理解できなかったために苦戦しました。

勉強方法

勉強計画

私が簿記の勉強を始めたのは今年の3月で、試験(6月13日)の3か月前です。1か月くらいあれば終わるという噂を聞いていたので、まずは3月に集中的に勉強してみてその結果を見て4、5月で対処しようと考えました。

使用教材

私が利用させていただいたのはクレアールのWeb通信講座です。簿記3級は独学で合格できるという方もいらっしゃいましたが、テキストだけだと分からない部分についてネットで質問できるという点が安心できますね。私も計4回質問させていただきました。簿記試験の直後には講座が割引で受講できるので、安いタイミングで申し込むとお得です。

問題集を何周も繰り返す

自分が行った勉強の流れについて紹介します。まず半月くらい使ってクレアールのオンライン講義を一通り聞きました。ゆっくり話しているので倍速で視聴しましたが、それでも講義を聞くだけで相当な時間がかかりました。全部合わせると概算で30時間分くらいあって倍速でも15時間、途中止めたりすることも考えるとさらに時間がかかります。何の勉強でもそうですが、最初に全体像を捉えることが大事です。問題集が1冊あったら、試験日までの日数で割った分だけ毎日コツコツ進めるというやり方はお勧めしません。まずは1周終わらせて全体像を把握した後で2周目3周目で細かい部分の理解を深めていく方法が良いと思います。どんなに集中して勉強したところで最初の方に学んだ内容は忘れてしまうので、何周もして定着させます。1周目は例題のみ解きながらとにかく全講義を早く聞き終えることを目指しました。全体を聞かないと自分が勉強しなければならない内容の全体像は見えてきません。ここで大事なのは1周目を一刻も早く終えるということです。2周目以降にかかる時間は1周目より短いので、1周目にかかった時間から試験までのスケジュールも立てることができます。
2周目は基本問題集を解きました。解き直しができるように別のノートに解答を書きました。この時点で簡単に解けた問題はチェックをつけて3周目以降は飛ばします。そのため問題集の解き直しにかかる時間は反復ごとに短くなります。解けたけど少し迷ったという問題はチェックをつけずに3周目でもう一回解きます。最初に問題集を解くときは全然取り掛かり方も分からない問題があったのでそれは解かずに回答を読んで3周目以降に回すというものもありました。2周目でチェックをつけられたのは1割程度だと思います。
3周目は2周目に解けなかった残り9割の解き直しを行いました。2周目で解けたけど少し迷ったという問題を中心にチェックが増えていくので3周目で半分くらいの問題を終えることができました。3周目になってもよくわからない部分があるため、分からない部分は講義ノートなどをそのたびに復習しました。
受験月に入ったら過去問を解き始めました。仕訳問題に始まって試算表や精算表、損益計算書、貸借対照表が問題として問われるという雰囲気を確認しました。問題集の4周目も行い、少し残っていた解けていない問題を解き直しました。問題集には精算表の問題だけで何問もあるので、あえて少し残して直前期にも練習できるようにしました。

全体の勉強スケジュール

簿記の勉強スケジュール
↑簿記の勉強スケジュール(私の場合)

上記が私の勉強スケジュールになります。
3月は春休みでしたが、週4回ダンス、週1~2回ピアノや歌のレッスン、ブログ開設や家具選びなどもあったのでその合間を縫って勉強しました。3月に問題集まで一通り終えられたので6月の試験に間に合うと感じました。
4月は就職したこともあり、研修などの勉強に集中しました。丸1か月以上簿記の勉強はしていません。
5月になってようやく問題集の2周目3周目に取り掛かりました。6月の最初に過去問解けば良いと考えていたのであまり慌てませんでした。
自分はあまり資料を読んでいなくてクレアールの公開模試や直前答練の存在を知らず、気がついたら終わってしまっていました。簿記試験の形式が変わるということも話半分に講義で聞いていたので、試験本番で驚くことになります。

受験レポート

持ちもの

受験票

免許証などの身分証明書

筆記用具

算機能のみの電卓(orそろばん)

電卓

電卓は高機能であるほど良い訳ではなく、関数電卓などの多機能な電卓は試験で用いることができません。他にも、印刷機能・メロディー機能・辞書機能・通信機能・売価計算や原価計算などの機能がついているものは使えないと受験票に書いてありました。ただし、日数計算・時間計算。換算・税計算・検算の機能はついていても大丈夫だそうです。個人的には足し算ができれば3級では事足りると思います(ほとんどの設問は複雑な足し算は要求されません。最後に出題される精算表や財務諸表などの問題で各勘定科目の値段を合計するときには必須です。)
簿記の受験向けの電卓として人気なのはCASIOとSHARPの製品です。私は写真に載せたSHARPの「EL-N432-X」という電卓を用いて簿記の勉強を行いました。電卓を選ぶときに特に気にしたのは以下の6点です。

  • 値段
    ボタンの打ちやすさ、画面の表示速度などによって電卓の値段は大きく違います。「EL-N432-X」はAmazonの割引時に1200円くらいで買えました。
  • SHARP製
    CASIO製かSHARP製かでボタンの位置が異なります。私は右手でペンを持ちつつ左手で電卓を打つスタイルなので、左下にすべての数字が集まっている方が打ち間違えが少ないと考えてSHARP製を選びました。
  • 表示画面の角度が変えられるチルトディスプレイ
    画面の角度が変えられるのは数字が見やすいです。
  • サイズ
    小さすぎても大きすぎても打ちづらくなるので、手のひらサイズくらいが使いやすいと思います。「EL-N432-X」は短辺×長辺が11 cm×17 cmくらいで、鷲掴みできるサイズです(私の彼女も鷲掴みできたので女性でも可能だと思います)。
  • 12桁目まで数字が表示
    色々なサイトで12桁表示できる方が良いと書かれていました。表示桁数が少ないと、桁数が足りなくなることがあるそうです。2級以上を目指したり仕事で使うことを想定している場合など、長く使うつもりなら12桁表示できる方が良いと思います。(簿記3級レベルでは8桁でも大丈夫でした。)
  • GT機能・メモリ機能
    メモリ機能などがあると計算が早くなるので色々なサイトでお薦めされていました。私も最初に覚えましたが、3級の試験では足し算ができれば事足りました。

時計

受験票の持ち物にはありませんが、試験会場には時計が無かったので持って行った方が良いです。私は時計も忘れてしまいましたが、試験開始後30分、50分が過ぎたタイミングでアナウンスされたので大体の時間はわかりました。

試験本番

東京外国語大学
試験会場

初めての簿記試験。武蔵野商工会議所から申し込んだところ東京外国語大学が受験会場でした。上述のように電卓と時計を忘れてしまって焦りました。試験会場には老若男女問わず様々な受験者の方がいました。試験時間が1時間ということも当日知りました。時間が足りなくならないように悩みすぎることなく早く最後まで解くことを心掛けました。解答用紙と計算用紙がくっついていて使いづらかったので問題用紙に直接書き込みました。試験後は一斉に受験性が同じ電車に乗ったので、ガラガラだった車内が突如満員電車に変貌しました。知り合いどうしで受験していた方の会話などを聞いていると、皆さん形式が変わって戸惑ったと言っていました。直後にtwitterを見たところ、自分が聞いたことのない知識が一部必要だったと騒がれていて、合格しているか不安になりました。最後の計算も左右で合わなかったため「たぶん大丈夫だけどもしかしたら落ちるかも」という思いで合格発表まで過ごしました。

合格発表

簿記3級合格

7月2日が合格発表であり、武蔵野商工会議所のサイトで合格を確認しました。
今年から試験時間や問題形式が変わるなどしており、簿記3級試験(第158回)の合格率は前回よりも下がりました。自分自身、過去問を解いていた時は70点くらい簡単にいけると思っていたのですが、当日は設問の内容が大きく変わっていたために、試験開始後はどの問題をどこに解答すればよいのかまず確認するところから始まりました。まずは確実に解けそうな1問目に集中しました。1か所悩みましたが、それは後で復習することにして次に進みました。結果論にはなりますが、仕訳などの基礎が身についていれば解ける問題(問1)が45点分を占めていることから、全部で70点を取るのは十分可能だと思います。(内容についてはネットに書けないので、ご容赦ください。)問2は自分が見たことのない設定が含まれていて苦戦しました。問3は計算ミスに気付いたものの時間が無くて修正しきれませんでした。

9月に合格証書を武蔵野商工会議所でいただきました。

簿記3級合格証書

簿記試験を終えて

1か月くらい不安だったので簿記3級に合格して嬉しいです。一通り問題集を解き終えてからあまり勉強時間を割けませんでしたが、形式の変更についてはもう少し情報収集しておくべきだったと思います。簿記2級にも今後挑戦しようかとも思うのですが、他の勉強もあるので悩み中です。簿記で学んだ背景知識を投資にも生かしていきたいと思います。

まとめ

今回は新しい形式となった簿記3級の試験の勉強方法について自分の方法を紹介しました。私の受験した会場では合格率が26%くらいだったので、多くの受験生の方は新しい形式に苦戦したのだと思います。簿記の考え方は少し特殊な部分もあって最初は理解に苦しみますが、問題集を何周もしていくうちに慣れていくと思います。これから簿記3級を受けられる方の参考にしていただければと思います。

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